四谷「スパゲッティながい」の「卵とベーコン」四谷「スパゲッティながい」の「卵とベーコン」

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これを食べなきゃ人生ソンだよ

2024.6.13

東京のパスタ屋ベスト3 ロッジ赤石、ハングリータイガー、スパゲッティ永井を紹介するの巻

五右衛門、壁の穴、すぱじろう、DoNA、サイゼリア、ロメスパ バルボア、麦小家、ハシヤ系……など、いわゆるイタリアンのパスタとはちがう、ジャパニーズ・スパゲッティとでも言おうか。いろいろ試した中から、今回は厳選した3店を紹介しよう。





「ロッジ赤石」の明太子スパゲッティ、「ハングリータイガー」のぺスカトーレ&バジリコ、「スパゲッティ永井」の卵とベーコンをレビューするぞ。

 

 

➡「ド定番のカプリチョーザ「トマトとニンニクのスパゲティ」も必食ものだよの巻」へはここをクリック

 




ホントに底の知れぬ店「ロッジ赤石」の
明太子スパゲッティーはサイコーに旨い!




ロッジ赤石 明太子スパゲッティー ロッジ赤石 明太子スパゲッティー



そんな中で燦然と輝くのは、なんたって、浅草の「ロッジ赤石」だね。以前紹介したナポリタンに続いて、これを筆頭に選ばざるを得ない。本当は混んじゃうから、ナイショにしておきたいんですよ。

 


最初にこの店の「明太子スパゲッティー」を食べたときには、ゲゲゲッー、なんちゅう旨さや、とたまげた。これはジャパニズムの極致やないかいと思った。繰り返すけれども、めちゃくちゃに旨い。ジャパニーズ・スパゲッティを作っている店舗は誰もが見習うべき、それほどのもんだ。


具材はいたってシンプル。細切りの玉ねぎとピーマン、そこに明太子を投入して、香り付けにバターと醤油を加える。あとはジャジャジャッと炒めて、刻み海苔と生の明太子を載せるだけだ。家庭でもできる実に簡単なヤツである。


しか~し、断言するが、この味は絶対に真似できな~い! スパゲッティはちゃんと芯がある。玉ねぎとピーマンがすこぶるいい仕事をしている。実に的確な切り方と量だ。加えて、おそらくは炒める明太子の量と、バターと醤油の匙加減が絶妙なのだろう。すべてのバランスが黄金比とも言うべきものだ。明太子の麺へのまとわりつき具合が最高じゃんか。どちらかと言えば下品になりかねない一品のはずなのに、気品すら感じる。

 

思わず、「時よ止まれ、お前は美味しい!」じゃなくて、「お前は美しい!」と叫んでしまったファウスト博士の心境とでも言うのかな(ちょっと盛りすぎ?笑)。とにかく、この店に来たらナポリタンと同じくらいの名物だと思って、ともに食わねばならん。ロッジ赤石、つくづく、ホントに底の知れぬ店じゃのお。



ロッジ赤石 外観 ロッジ赤石 外観

ロッジ赤石
東京都台東区浅草3-8-4
TEL 03-3875-1688
営業時間:9002400
定休日:月曜日
ナポリタンスパゲッティー 950
明太子スパゲッティー   1200


虎ノ門界隈で知らぬ者はなし
「ハングリータイガー」は間違いなしの名店だ


虎ノ門ハングリータイガー ぺスカトーレ&バジリコ 虎ノ門ハングリータイガー ぺスカトーレ&バジリコ


ランチはまさにスパゲッティ専門店、夜はわりとメニューは豊富で本場に近いものも出すイタリアン。港区虎ノ門界隈でその名を知らぬ者はないほどの名店だ。昼の激混みぶりは半端じゃないよ。夜も予約でいっぱいだ。

 


スパゲッティでは、「ダニエル」と「ぺスカトーレ&バジリコ」が二大人気メニューのようだ。ほとんどの客はダニエルを、残りはペスカトーレ&バジリコかボンゴレ&バジリコを頼むみたい。

 

この超人気のダニエルってのは、カルボナーラみたいなもんなんだけど、それとはだいぶ違う。具はハム、ベーコン、マッシュルーム、玉ねぎと大量の卵で、ニンニクがかなり効いている。カルボナーラよりも火入れはしっかりしていて、卵はフワッとしたスクランブルエッグ状だ。だから、ジャパニーズと呼ぶべきものだ。

 


卵系は別の店のものを紹介するので、ぺスカトーレ&バジリコをリポートしよう。

 

ペスカトーレであるから、具はヤリイカ、小エビ、マッシュルーム、バジリコ(大葉)だ。まず、普通盛りの量に圧倒される。しかし、店内を見渡せば、店がそのように推奨しているせいもあるが(!)、誰もが中盛りか大盛りをワシワシと食っている。特におっさん連中が。アンタら体育会系の学生かい、どんだけ食うんじゃい!って思うよ(笑)。

 


さて、ペスカトーレは、刻んだ大葉が大量にまぶしてある。ひと巻きを口に入れてみる。ああ、こりゃあ、間違いなく旨えわ。具はとても小さく、パスタの中にまぎれている感じだが、味はしっかりしている。

 

大葉がいい仕事をしてるね。第一、オイルが麺にまんべんなくまとわりついた見た目からして、旨そうだもん。ちゃんと作ったものってそういうもんよね。高級なトラットリアじゃなくたって、旨えもんは旨え。

 


スパゲッティは、当店特注ヴェルミチェッリ社の21ミリとかなり太い。歯ごたえがあって、噛むとブチンブチンと切れる感じが、これまた素敵なのじゃ。

 

イタリア本国では、普通はペスカトーレにチーズはかけない。しかし、ここは日本だし、バジルじゃなくて大葉だしねー。途中で安っぽいチーズと醤油をかけて味変してみるのもいい。なかなかオツなもんだ。

 

次回はトマトソース系も試してみたくなるね。サービスのお父さんが元気で明るくて、従業員同士が和気あいあいとしている。しばらくすると再訪したくなる、とっても雰囲気のいい店だ。



虎ノ門 ハングリータイガー外観 虎ノ門 ハングリータイガー外観

ハングリータイガー
東京都港区虎ノ門1-11-12
TEL 03-3591-7081
営業時間:11:3014:4517:3022:15 土曜:11:3019:30
定休日:日曜・祝日
ペスカトーレ&バジリコ 1250
ダニエル 1050




四谷「スパゲッティながい」の
飽きがこない「卵とベーコン」



スパゲッティながい 卵とベーコン スパゲッティながい 卵とベーコン

四谷のしんみち通りにある。場所が行きやすいので、しばしば通っている店だ。いわゆる「ハシヤ」(大元は閉店)系の中では頭ひとつ抜けていると思う。店主の永井さんは、そこで修業して独立したとのことである。

 

実はここを雑誌で知ったのは昨年のことだ。というのは、人生を賭けてメシを食っている某シャチョーさんが、この店の「卵とベーコン」を激賞していて、脇目もふらずこれ一択で1年に60回!も食うんだってさ。すげえな。

 


店はいかにも職人ぽい永井さんと、部下(日によって違う)のたった2人で回している。すぐに気付くのは店内の清掃である。いつ来ても、隅々までピカピカにきれいだ。こういうのは大事なんだよな(パスタ専門店はコきたない店が多いんだよねえ。是非とも見習ってほしいっす)。

 

というわけで、「卵とベーコン」である。ハングリータイガーの「ダニエル」に似ているが、こっちのほうがニンニクは弱めであっさりしている。ベーコンをガーリックオイルで炒めて、麺をぶちこんだら、最後に、だし醤油入りの溶き卵と合わせる。

 



溶き卵にけっこう熱が入りふんわりになる時と、シャバシャバのスープパスタみたいになることもある。常に同じ仕上がりとは言い難いが、だし醤油と黒コショウが効いていて、どちらの状態になっていても、旨いねえ。飽きが来ない味だ。麺もかなりアルデンテだね。途中で粉チーズとタバスコをかけて味変してもイケる。

 

他のも試した。「ナス・ベーコン・アスパラ・シメジ」はまずまずだ。それぞれの具材をもっとパキッと炒めたら、もっと旨くなると思う。炒めるってことは、水分を抜くってことじゃけん。本当は具材を素揚げしたほうが格段にいいんだけどね。

 


だが、人気の「タラコとイカ」と「ミートソースと納豆」の2種は、炒めずに和えただけ(後者は麺の上に載せただけ)のもので、私はお薦めしない(口コミを見ると、うめえ、うめえ、言ってる御仁もいる)。

 

実は、ハシヤ系にはこの手の、和えただけのものが多い。やっぱりね、スパゲッティってのは、熱いオイルをまとわなければ旨くならないと、私なんかは思うんだけどなあ。ハシヤを踏襲するとはいっても、そこだけは崩してほしいと思うゾ。

 

ランチは行ったことがないが、夜はたいがい空いているので狙い目の店だ。




スパゲッティながい 店舗 スパゲッティながい 店舗

スパゲッティながい
東京都新宿区四谷1-8 中川ビル2F
TEL 03-3350-0806
11:3020:00
定休日:日曜
卵とベーコン 1300
ナス・ベーコン・アスパラ・シメジ 1400



「これを食べなきゃ人生ソンだよ」とは
うまいものがあると聞けば西へ東へ駆けつけ食べまくる、令和のブリア・サバランか、はたまた古川ロッパの再来かと一部で噂される食べ歩き歴40年超の食い道楽な編集者・バッシーの抱腹絶倒のグルメエッセイ。

 

 




筆者プロフィール

 

食べ歩き歴40年超の食い道楽者・バッシー。日本国内はもちろんのこと、香港には自腹で定期的に中華を食べに行き、旨いもんのために、台湾、シンガポール、バンコク、ソウルにも出かける。某旅行誌編集長時代には、世界中、特にヨーロッパのミシュラン★付き店や、後のWorld Best50店を数多く訪ねる。「天香楼」(香港)の「蟹みそ餡かけ麺」を、食を愛するあらゆる人に食べさせたい。というか、この店の中華料理が世界一好き。別の洋物ベスト1を挙げれば、World Best50で1位になったことがあるスペイン・ジローナの「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」。あ~、もう一度行ってみたいモンじゃのお。

 



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