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五感を刺激する福岡新スポット

2022.11.2

世界の感性が博多に集結! 12月開業せまる!エンターテイメントとレストランを擁する010 BUILDING

2022年12月1日、福岡県福岡市博多区に食とエンターテイメントが融合した「010 BUILDING(ゼロイチゼロビルディング)」が誕生する。運営は福岡でアートとエンターテイメントのイベントなどを総合プロデュースするクリエイティブ集団「Zero-Ten(ゼロテン)」。世界的人気シェフの日本初レストラン、NYで最もクールなナイトスポット「THE BOX」がプロデュースするイマーシブシアター、世界的なバーテンダーが手掛けるバーなど、魅力溢れるエンターテイメントが集結する。まだ全貌は明かされていないが、その一部を紐解く。

 

NYと福岡の頭脳集団が生み出す
今までにない、斬新な建築

 

再開発が進む博多の街には、いま作業用のクレーン車が多く並ぶ。那珂川に掛かる橋からキャナルシティ博多を見ると、周辺に立ち並ぶビルの中にまるで宙に浮いたような不思議な形の建築中の建物に目が留まる。この建物こそが、2022年12月1日にオープンするエンターテイメントと食をテーマとする「010 BUILDING (ゼロイチゼロビルディング)」である。ここには今まで日本にはなかった仕掛けと、世界を魅了する人々の感性が詰まっている。

ゼロテンの代表、榎本二郎。常に刺激的で革新的なチャレンジに挑む実業家である。 ゼロテンの代表、榎本二郎。常に刺激的で革新的なチャレンジに挑む実業家である。

ゼロテンの代表、榎本二郎。常に刺激的で革新的なチャレンジに挑む実業家である。


「以前から、いつか福岡発信の世界的なエンターテイメントを展開したいと考えていました」と語るのは、ゼロテンの代表を務める榎本二郎。今まで街に影響を与えるのは大規模なモールのような大型施設だった。

 

しかし「今はたとえ1軒の小さなレストランであっても大きな影響力を持つことができる、そういう時代が来ていると思っている」と語る。

 

奇想天外とも言えるこのビルの設計をしたのは、NYの新進気鋭の建築家であるClouds Architecture Office (クラウズ・アオ)共同代表の曽野正之である。

 

クラウズ・アオとは、NASA(アメリカ航空宇宙局)が主催した2015年の設計コンペ「3D Printed Habitat Challenge」にて、提案した作品「MARS ICE HOME」が最優秀を獲得するなど、その柔軟な発想と共に新しいライフスタイルや世界観に高い評価を得ている。

 

ゼロテン代表の榎本二郎は、古くからの友人であった曽野のユニット、クラウズ・アオに設計を依頼したのだった。

左から、クラウズ・アオの曽野祐子、曽野正之、オスタップ・ルダケヴィッチ。手がける作品は常に人々を驚かせ、そこには新たなライフスタイルや社会の課題を解決する提案がある。このビルの設計には3人のチームで取り組んだ。彼らが手がけるビルは、街に大きな衝撃になることは間違いないだろう。 左から、クラウズ・アオの曽野祐子、曽野正之、オスタップ・ルダケヴィッチ。手がける作品は常に人々を驚かせ、そこには新たなライフスタイルや社会の課題を解決する提案がある。このビルの設計には3人のチームで取り組んだ。彼らが手がけるビルは、街に大きな衝撃になることは間違いないだろう。

左から、クラウズ・アオの曽野祐子、曽野正之、オスタップ・ルダケヴィッチ。手がける作品は常に人々を驚かせ、そこには新たなライフスタイルや社会の課題を解決する提案がある。このビルの設計には3人のチームで取り組んだ。彼らが手がけるビルは、街に大きな衝撃になることは間違いないだろう。

 

Photography by GIION

 


「MASAさん(曽野正之)とはニューヨークに暮らしていた時の飲み仲間でした。今回企画するビルは、シンプルでも新しい価値観を発信する、今までどこにもなかったシンボリックな建築物を望んでいました。NYの911メモリアルであるスタテンアイランドのデザインをしたMASAさんなら、自分の希望を叶える設計をしてくれると思ってお願いしたんです。希望通りの独創的で革新的な設計デザインに仕上げてくれました」と榎本は振り返る。

10月初頭、工事の追い込みが続いていた「010 BUILDING (ゼロイチゼロビルディング)」。 10月初頭、工事の追い込みが続いていた「010 BUILDING (ゼロイチゼロビルディング)」。

10月初頭、工事の追い込みが続いていた「010 BUILDING (ゼロイチゼロビルディング)」。


博多の街に現れた
まるで宙に浮く、オブジェのようなビル

 

この夏、建築進捗を確認するためにちょうど来日していた曽野正之に話が聞けた。

 

「今回企画するビルのある地域は、近くに那珂川が流れ、中洲やキャナルシティ博多、隠れ家的なレストランが多い春吉地区など、様々な顔を持つ街が隣接するカオスのような地域だと、榎本さんに聞いていました。そのカオスという地域性に魅力を感じ、その中心にエネルギーの渦となる建築物を作ろうと考え、動きと上昇観のある螺旋状のデザインをイメージしたんです。川に面した路地という立地から、様々な方角から、遠く地点からもその姿が見えます。そこで、見る角度によってその姿を変えていくようなエンターテイメント的なデザインを求め、表や裏はなく全てが表になる、そんなイメージで設計しました」。

 

中原拓海建築設計事務所代表の中原拓海。クラウズ・アオのデザインや榎本の思いを中原によって言語化。それが可能だったからこそ出来たと、榎本は中原を絶賛する。 中原拓海建築設計事務所代表の中原拓海。クラウズ・アオのデザインや榎本の思いを中原によって言語化。それが可能だったからこそ出来たと、榎本は中原を絶賛する。

中原拓海建築設計事務所代表の中原拓海。クラウズ・アオのデザインや榎本の思いを中原によって言語化。それが可能だったからこそ出来たと、榎本は中原を絶賛する。

NYが拠点のクラウズ・アオに代わって、福岡で現場調整や建築の実質的な舵を握ったのは、福岡にオフィスを持つ「中原拓海建築設計事務所」と「NKS2アーキテクツ」の2社である。

 

中原拓海によれば、「今回の建築物は言ってみれば、オートクチュールの服のような特別なものです。そのために既成の部材や発想は使えない。よりイメージに近いものへ導くために、常に現場では取捨選択が求められました。榎本さんや曽野さんの思いやイメージを、現場にわかりやすく伝えることは簡単ではありません。職人さんのプロ意識と時にはぶつかりながらも、彼らの技とこだわりと責任感によって見事に完成ができたのです」。

 

ここでしか味わえない、楽しめない特別感

 

今回は建設期間にコロナ感染拡大の影響を大きく受けた。資材調達が困難になり、それに伴うコスト増、納期遅れなどの問題も発生したことで、通常よりも大きな苦労があったようだ。「今まで日本にはなかったエンターテイメントを、福岡の力で福岡から世界へ発信したい」という、榎本の気持ちは揺らぐことはなく、夢は広がっていった。榎本の熱量の高さが多くの人の心を動かし、コイツのため頑張ってみよう!そんな気持ちにさせるのだろう。


中原、榎本、曽野、3人が揃った貴重な機会。お互いを尊重し、足りないところを補い合い、バランスのとれた関係性であることが伝わってくる。 中原、榎本、曽野、3人が揃った貴重な機会。お互いを尊重し、足りないところを補い合い、バランスのとれた関係性であることが伝わってくる。

中原、榎本、曽野、3人が揃った貴重な機会。お互いを尊重し、足りないところを補い合い、バランスのとれた関係性であることが伝わってくる。

実は、今回のプロジェクトのテーマの真髄とは、福岡×世界の感性の融合である。建築設計はNYのクラウズ・アオ×福岡の中原拓海建築設計事務所とNKS2アーキテクツ、エンターテイメントとしてアメリカから呼ぶのは、NYで最もクールなナイトスポット「THE BOX」を手がけるクリエイティブチーム、さらにレストランやバーには世界で高い評価を受けている有名シェフやバーテンダーがテナントとして登場するのだという。

 

博多の街に生まれる、新たなシンボルの真相が気になるところ。今後徐々に明かされていく詳細に注目をしていきたい。ぜひ続報を楽しみにしていて欲しい。

 

(敬称略)


Photography by Teppei Ohno

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