タキザワワイナリー 旅路ロゼ 2020 サン・スーフル・アジュテタキザワワイナリー 旅路ロゼ 2020 サン・スーフル・アジュテ

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いま飲みたい日本ワイン

2021.9.6

「タキザワワイナリー 旅路ロゼ 2020 サン・スーフル・アジュテ 」北海道・空知の自然派ワイン

北海道有数のワイン産地、空知地方に位置するタキザワワイナリー。少量高品質のワインづくりを目指している「ブティック・ワイナリー」と呼ぶにふさわしく、化学肥料や農薬を極力使用せず、発酵もすべて野生酵母のみを使うこだわりの造り手だ。オーナーの滝沢信夫が自家焙煎珈琲店の経営者から転身して2004年より畑を開墾し、2013年に栽培、醸造から瓶詰めまで行う「ドメーヌ」スタイルとなった。

 

 

このワインは「旅路」という北海道固有のブドウからつくられている。元は小樽の方で自生していた「紅塩谷」という食用品種であったが、NHKの朝ドラのタイトルから「旅路」という名前で呼ばれるようになったらしい。赤紫色の果皮と果汁を一緒に漬け込むことで色や風味を抽出し、泡をつくるための瓶内二次発酵に至るまで全て野生酵母を使う。澱を瓶内に残しているのでやや濁りはあるが穏やかなロゼ色で、ワインにするとイチゴやプラムを感じさせる甘い香りとハーブのような清涼感が特徴だ。

 



味わいにも、香りで感じた赤系フルーツの優しい果実味が広がり、そして体に馴染む旨味とともにフレッシュ感を強調する泡が口中に広がる。「サン・スーフル・アジュテ」とは亜硫酸無添加の意味。澱を残したまま亜硫酸を入れないということはかなり慎重な醸造が求められるが、きれいな仕上がりで、滝沢の目指す「北海道の自然の持つ力を極力引き出すワインづくり」を見事に体現している。

 

 

この旨味のある味わいと亜硫酸の少なさは、料理合わせにおいてとても良い武器となる。ワインとの組み合わせでは非常にむずかしい「新鮮な魚や魚卵」の臭みが出にくいのだ。漬けマグロの山かけや、サーモンフライのタルタルソースに合わせてみたら、瓶内二次発酵由来のクリーミーな泡のテクスチャーともピッタリ。普段の食事が華やかになった。



タキザワワイナリー 旅路ロゼ 2020 サン・スーフル・アジュテ タキザワワイナリー 旅路ロゼ 2020 サン・スーフル・アジュテ


旅路ロゼ 2020 サン・スーフル・アジュテ

 

造り手:TAKIZAWA WINERY / 代表 滝沢信夫
所在地:北海道三笠市
品種:旅路 100%(北海道余市町)限定2054本
特徴:三笠市達布地区のワイナリー周辺に開拓した南向き斜面の自社畑からつくるワインと、余市の栽培家から購入したブドウでつくるワイン、合わせて年間約25,000本を生産。白樺林に囲まれた自社醸造所の2階にはワイン畑が一望出来る、見晴らしの良いショップも併設されており、ワインの販売をはじめ、手軽に楽しめるテイスティング(有料)も提供している。(新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止している場合もあり。要確認)
合わせたい料理:漬けマグロの山かけ、サーモンフライのタルタルソースの他にも、ワインの染み渡る旨味や優しい果実味に合わせて海老シュウマイも箸が止まらなくなる。家でも作りやすいイタリアンなら、トマトと桃のカッペリーニにフレッシュバジル添えると、ワインにある香りや軽快さに寄り添う組み合わせだ。
価格:2,860円(税込)

 



松木リエ Rie Matsuki
ソムリエ WSET® Level 4 Diploma、A.S.I.世界ソムリエ協会認定 International Sommelier Diploma- Gold。タイユバン・ロブションなどを経て2006年渡仏。南仏にて世界最優秀ソムリエのエンリコ・ベルナルド氏に師事し、その後パリの星付きレストランで6年間ソムリエとして従事。帰国後マンダリン オリエンタル 東京のソムリエを経て独立。現在はキャプラン ワインアカデミーなどで講師をつとめるほか、ワインの普及のための活動を行なっている。


Text by Rie Matsuki
Photography by Sogen Takahashi(amana)

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