「ファンピー白2019」「ファンピー白2019」

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いま飲みたい日本ワイン

2021.4.23

カーブドッチ ワイナリー 「ファンピー白2019」マルチな才能を持つ醸造家・掛川史人が感情を詰めた楽しい白

新潟駅から車で海沿いを南西に走ること40分。「新潟ワインコースト」と呼ばれる注目のワイン産地がある。直線距離300m以内に5軒の個性のあるワイナリーが集まり、周りにはブドウ畑の景色。そしてレストランやカフェ&ベーカリー、温泉&スパ、ホテルも併設され日本で屈指のワインツーリズムができる場所となっている。

 

その新潟ワインコーストの中心的存在なのがカーブドッチ ワイナリーだ。「意欲的でユニークな発想から面白くて美味しいワインを続々リリースしているよ!」というワイン仲間の評判を聞きつけ、昨年の秋に訪問した。

 

醸造責任者・掛川史人はワイナリー全体の経営や営業にも関わり、そのマルチな才能を発揮している。彼のつくる個性豊かなワインのラインナップの中でも、今注目の品種アルバリーニョのワインは最高品質と評価されている。また、掛川の個性を表現した「どうぶつシリーズ」は、「ソーヴィニヨン・ブランで造ったうみがめはジャズ、ラブルスカ系品種で造ったやまどりはJ-Popスタイルだ」と音楽に例えてくるのも面白い。お勧めしたい彼のワインはたくさんあるのだが、今日は掛川が「感情をボトルに詰めた」というFUNPY(ファンピー)シリーズのワインを紹介する。

 


食用ブドウのデラウェアを主体に、ナイアガラやソーヴィニヨン・ブランが少しブレンドされているこのワインはとてもアロマティックで華やかな香りだ。メロンやマスカット、レモングラスやベルベーヌのハーブも一緒に漬け込んだフルーツポンチのような印象。口に含むと軽快な酸味が心地よく、スルスル飲んでしまいそうなライトボディの辛口ワインとなっている。まさに今、世界の若者が好むスタイルのワインで、そんなトレンドを抑えているワインづくりも掛川史人の感度の高さがうかがえる。

 

ちなみにファンピーとは「Fun wine make you happy !!」を略したネーミング。まさに楽しく肩肘張らずに飲むワインなので、冷やしてコップグラスで飲んでもいい。軽いワインには質量を合わせて軽めの料理に合わせたい。例えばスモークサーモンにサワークリームを添えたカナッペや、エビやアボガドを入れたサンドイッチ、葉野菜のサラダに合わせると野菜の苦味の中にある甘さを引き出してくれる。


カーブドッチ ファンピー 白2019

造り手:カーブドッチ ワイナリー / 醸造家・掛川史人

所在地:新潟県新潟市
品種:デラウェア、ナイアガラ、ソーヴィニヨン・ブラン
特徴:1992年角田山の麓と日本海の間の砂地にブドウ畑を開墾しワイナリーを創設。砂質土壌にヨーロッパ品種を栽培しており、特にアルバリーニョの評判は非常に高い。「新潟をワイン産地に」という目標を掲げ2005年から「ワイナリー経営塾」始め、ワイナリー創業を志す人を育成してきたことが新潟ワインコーストの形成に繋がった。東京都内にも飲食店を展開。東京ミッドタウン「Värman」や代官山「Äta」でもカーブドッチのワインと料理を楽しむことができる。

合わせたい料理:スモークサーモンやエビなど魚介類、アボカドや葉野菜のサラダにも。ナイアガラやコンコードのような北米系品種(ラブルスカ系)特有のブドウ風味がインド系カレーに添えるチャツネのような役割をしてくれることを発見。ということでキーマカレーに合わせてみたところ美味。ぜひトライを。

価格:1,980円(税込・参考価格)

 

 

松木リエ Rie Matsuki
ソムリエ WSET® Level 4 Diploma、A.S.I.世界ソムリエ協会認定 International Sommelier Diploma- Gold。タイユバン・ロブションなどを経て2006年渡仏。南仏にて世界最優秀ソムリエのエンリコ・ベルナルド氏に師事し、その後パリの星付きレストランで6年間ソムリエとして従事。帰国後マンダリン オリエンタル 東京のソムリエを経て独立。現在はキャプラン ワインアカデミーなどで講師をつとめるほか、舞台「サイドウェイ」の公式劇場パンフレットのワイン解説など、ワインの普及のための活動を行なっている。

Text by Rie Matsuki
Photography by Hokuto Shimizu(amana)

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