シャトー・メルシャン「ももいろ 2019」シャトー・メルシャン「ももいろ 2019」

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いま飲みたい日本ワイン

2021.3.8

シャトー・メルシャン「ももいろ 2019」春を感じる淡いピンクの辛口ロゼ

かねてより日本ワインのポテンシャルに注目し、紹介してきたPremium Japan。この連載では「週末にリラックスして飲みたい、5,000円以下の日本ワイン」をテーマにセレクト。ソムリエ、またワインスクール講師として人気の高い松木リエ氏を選者に迎え、合わせたい料理も含めて提案する。バラエティ豊かな日本ワインの中から、お気に入りをたくさん見つけてほしい。

 

 


ロゼワイン=甘いと思っている方がいたら、ちょっと待ってほしい。今、世界中を席巻しているロゼワインブーム。実はこの「ももいろ」のような淡い色調で辛口の、軽やかな飲み口のものが牽引している。

 

赤ワインの醸造の副産物ととらわれがちなロゼワインだが、その美しい色と味わいのバランスを決定することは非常に困難だ。しかしそこはさすが日本ワインのリーディング・カンパニー。衆知と経験を集約して、気軽に買える価格帯で素晴らしいロゼワインをつくっている。

 

「ももいろ」は軽快な辛口。スイスイ飲めてしまいそうな味わいに、さくらんぼやザクロ、わたあめに似た甘やかさを伴ったチャーミングな香りを感じる。桜の花のような淡いピンクも美しい。

 

ロゼワインといえば、生ハムなどシャルキュトリー系に合わせるのが一般的。「ももいろ」は軽快な辛口で、飲みやすさを兼ね備えながら、意外にちょっと濃い味わいの料理がよく合う。例えばエビチリ。甘辛いタレとプリっとした海老の食感の軽快さを、ワインの果実風味とペッパリーでキリッとした味わいがうまく引き立たせてくれる。他にもタンドリーチキンのようなスパイスを使った清涼感ある辛い料理にも「ももいろ」はとっても相性がいい。

 

桜の時期が近づいてくると、私は無性にロゼワインが飲みたくなる。パリに住んでいた頃、春になるとパリ郊外にあるソー公園に、満開の桜の木を目当てによく行った。このあでやかなピンク色のロゼワインを見ると、日本を懐かしみながら友人らとサンドイッチを片手にロゼワインを浴びるほど飲んだ楽しい日々を思い出す。

 



シャトー・メルシャン ももいろ 2019

造り手:シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー
所在地:山梨県甲州市
品種:マスカット・ベーリーA、メルロー
特徴:ロンドンで行われる世界最高峰のワイン審査会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」で「北信左岸シャルドネ リヴァリス 2017」が金賞を受賞。世界のワイナリーの最高峰を決める「ワールド・ベスト・ヴィンヤード・アワード 2020」では「シャトー・メルシャン椀子ワイナリー」がアジア最高の世界30位にランクインした。マスター・オブ・ワインの大橋健一がブランド・コンサルタントに就任し、世界基準の視点でのアドバイスによりますます魅力的なワイナリーとなっている。

合わせたい料理:シャルキュトリーなど塩気の強いものを合わせることが多いが、エビチリ、生春巻き、タンドリーチキンなど、エスニックな料理にもよく合う。お試しを。

価格:1,991円(税込・参考価格)

 

 

 

松木リエ Rie Matsuki
ソムリエ WSET® Level 4 Diploma、A.S.I.世界ソムリエ協会認定 International Sommelier Diploma- Gold。タイユバン・ロブションなどを経て2006年渡仏。南仏にて世界最優秀ソムリエのエンリコ・ベルナルド氏に師事し、その後パリの星付きレストランで6年間ソムリエとして従事。帰国後マンダリン オリエンタル 東京のソムリエを経て独立。現在はキャプラン ワインアカデミーなどで講師をつとめるほか、舞台「サイドウェイ」の公式劇場パンフレットのワイン解説など、ワインの普及のための活動を行なっている。舞台「サイドウェイ」は東京芸術劇場にて3月17日から25日まで上演予定。

Text by Rie Matsuki
Photography by Hokuto Shimizu(amana)

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