水面に映る東京の空をイメージしたチョコレート「MINAMO」。東京で造られた日本酒とワインを使用。左から、朝焼けを表現した「梅酒」、雲ひとつない青空「ゆず&日本酒 東京和醸」、水面に映る朝霧をイメージした「いちじく&日本酒 對鴎」、茜色に染まる西の空「山ぶどうの赤ワイン」。1,728円(税込)

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令和のバレンタインに選ぶ 日本のショコラティエ12選

2020.2.10

9. トーキョーチョコレート×大石茂之シェフ
世界が認めた日本のチョコレートメーカーの実力

水面に映る東京の空をイメージしたチョコレート「MINAMO」。東京で造られた日本酒とワインを使用。左から、朝焼けを表現した「梅酒」、雲ひとつない青空「ゆず&日本酒 東京和醸」、水面に映る朝霧をイメージした「いちじく&日本酒 對鴎」、茜色に染まる西の空「山ぶどうの赤ワイン」。1,728円(税込)

パティシエとともに、日本でも浸透しつつある言葉、ショコラティエとは、フランス語でチョコレート職人を意味する。いまや世界で認められている、感性豊かな日本のショコラティエ。日本のチョコレート文化を育み、進化させるショコラティエを紹介する。

抹茶、柿、日本酒、梅酒など、和素材を極めたチョコレートとともに世界へ

メリーチョコレートといえば、誰もが知っている日本のチョコレートメーカーだ。現在のバレンタインの盛り上がりを作った会社でもある。2014年「メリーチョコレートが、C.C.C.のゴールドタブレットを授賞」のニュースは驚きだった。C.C.C.とは、フランスのショコラ愛好家による会「Club des Croqueurs de Chocolat(クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ=チョコレートをかじる人たちのクラブ)」の略。「セーセーセー」と発音する。

 

この栄誉を勝ち得たのは、自称“サラリーマンショコラティエ”の、大石茂之とそのチームの情熱によるものだ。2019年10月には、ショコラの祭典、パリの「サロン・デュ・ショコラ」においてC.C.C.が、同社の海外戦略ブランド「トーキョーチョコレート」に、「最高のショコラティエ賞」を授与した。しかし一朝一夕に、この栄光を掴んだわけではない。大石が属するメリーチョコレートのチームがパリで挑戦を始めたのは2000年のことだった。

 

「私たちのチームは日本のショコラティエの先駆としてサロン・デュ・ショコラ パリでかなり長い年月、日本唯一の存在として活動してきました。ブースのデザインや実演が好評で、大変人気があるブランドではありましたが、日本のショコラに対する偏見も多少あり、よくも悪くも異端なところがあったようにも感じます」と大石は振り返る。2000年に初出展した当時は、抹茶のショコラも受け入れられてもらえなかったものの、年を経るごとにフランスの人々にも和の素材や日本のショコラの味わいが理解されるようになった。

 

「フランスのお客様は日本人に近い、とても繊細な感覚を持っていらっしゃるのですが、長年のサロン・デュ・ショコラでの経験によって、私たちが味わっていただきたいショコラとフランスのお客様が求めるショコラがぴったりあってきたことが授賞につながったのだと思います。フランスの方に気に入ってもらえるように、とフランス人の味覚に合わせて素材を選んでいたこともありましたが、今は日本のお客様が本当においしいと喜んでくださるものを、フランスの方も同じようにおいしいと思ってくださると感じています」。

2016~2018年にC.C.C.で金賞をとったチョコレートをセレクトした「トーキョーチョコレートプレミアムセレクションボックス」。上段左から、市田柿の干し柿をジュレとガナッシュにして重ねた「柿」、七宝をイメージした「和のプラリネ」、日仏友好160周年を記念した「薔薇」、2019年の新作「玄米茶と生姜」。1,728円(税込) 2016~2018年にC.C.C.で金賞をとったチョコレートをセレクトした「トーキョーチョコレートプレミアムセレクションボックス」。上段左から、市田柿の干し柿をジュレとガナッシュにして重ねた「柿」、七宝をイメージした「和のプラリネ」、日仏友好160周年を記念した「薔薇」、2019年の新作「玄米茶と生姜」。1,728円(税込)

2016~2018年にC.C.C.で金賞をとったチョコレートをセレクトした「トーキョーチョコレートプレミアムセレクションボックス」。上段左から、市田柿の干し柿をジュレとガナッシュにして重ねた「柿」、七宝をイメージした「和のプラリネ」、日仏友好160周年を記念した「薔薇」、2019年の新作「玄米茶と生姜」。1,728円(税込)

2019年のC.C.C.の授賞式には、多くの日本人ショコラティエの姿があった。「日本のショコラは味わいがとてもナチュラルで、使う和素材も自然を連想できます。ショコラ界の未来において、“日本のショコラ”への期待感が非常に大きいとあらためて感じました」。トーキョーチョコレートの代表作「MINAMO」は、キラキラ光る表面のパート・ド・フリュイで見事に「水面」が表現され、日本人らしい情緒と味わいが楽しめるショコラだ。今シーズンは日本酒とワインに加え、梅酒が新登場した。お酒のききかたもほのかで、とても奥ゆかしい。


世界の舞台で日本のショコラが認められてきた今、大石が次に目指すものは何か?「やはり、和の素材をもっと研究したいですね。和素材のよさを日本の文化をも含めて表現する道を極めていきたいです。抹茶や柚子なども、もっと深堀りしたいし、またその一方で常に新しい素材も探して組み合わせ、新しい味わいも合わせ発見したい。まだまだチャレンジをしていきたいですね」。

1995年、メリーチョコレートに入社。チョコレートとともに歩んできた大石茂之シェフ。 1995年、メリーチョコレートに入社。チョコレートとともに歩んできた大石茂之シェフ。

1995年、メリーチョコレートに入社。チョコレートとともに歩んできた大石茂之シェフ。

(敬称略)

 

 

トーキョーチョコレート
(メリーチョコレートカムパニー)
https://www.tokyo-chocolate.jp/tokyo-chocolate/

Text by Reiko Matsuno
Photography by Haruko Amagata

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