健康へのこだわりや信仰上の理由、また信条などで、食べることに対して制限をもうけている人たちが増加している。バリアフリーレストランとは、食に対するこだわりをバリアととらえるのではなく、おいしく楽しむことを提案するレストランだ。食は、ライフスタイルの多様化やグローバル化など「今」を映すもの。オーガニック、ハラルフード、低糖質＆低カロリー、ベジタリアンの４つのカテゴリーから３店ずつピックアップ。東京のバリアフリーなレストランを紹介していく。

今年でオープン６年目を迎えた東京・元麻布の「エピキュール」。自らをテーラーメイドレストランと称し、“体に良い”と“美味しい”を両立させる「ケアリングフード」という新しい食のスタイルを提案している。そのためダイエッター、アスリート、ヴィーガンやベジタリアン、食品アレルギーのある人、宗教上の理由で特別な配慮が必要な人、病気の予防や闘病中などで食事制限が必要な人など、多様なゲストに合わせた料理を提供。最近ニーズの多い糖質制限中の人に向けた低糖質メニューも得意とする。もちろん食べて美味しいのが基本。味にうるさいグルマンたちも数多く訪れるが、中にはヘルシー料理だと気づかないゲストもいる。

オーナーの藤春幸治は、海外の著名なレストランや有名外資系ホテルなどでシェフとして研鑽を積んだ後、さまざまな理由で食事制限や個食理念を持った人たちに対応したレストランがなぜないのか、今後、継続できる食・選択できる食が日本で必ず必要となる、という考えに達した。そして健康かつ美味しさを追求した「エピキュール」のオープンとともに「ケアリングフード」を提案。さまざまなゲストが１つのテーブルを心から笑顔で囲めるよう、体の仕組みや栄養にも考慮して新しい料理をどんどん生み出している。

大人気の低温調理の鶏の胸肉は、なんと糖質がほぼ０g。バルサミコを煮詰めて甘みを出したソースはシュガーフリー。プロテイン豊富で低糖質のパルミジャーノチーズを肉にトッピングすることで、塩分とコクをプラス。どうしてもパサパサになりやすい鶏の胸肉を低温でゆっくり時間をかけて茹で上げることで、驚くほど柔らかく、しっとりジューシーに仕上げている。

完成したばかりのおからの新作パンもお目見え。以前はふすま粉を使っていたが、食物繊維がたっぷりでプロテインも豊富だ。そのうえ糖質量はほぼ０gというおからのスペックに惚れ込んだ。一切れの糖質は３g以下で、グルテンフリーもクリア。大豆の香ばしさも加わって、味わいも申し分ない。

ひと言で糖質制限と言っても、徹底的に糖質を控えたい人もいれば、血糖値さえ上がらなければ少しは甘い物を楽しみたい人もいる。また糖質制限に加えて脂質も抑えたい、でもタンパク質は取りたいなど、要望はさまざま。そんなゲストのリクエストにとことん応えてくれる、舌もお腹も満足して、食べるだけで健康になる、そんな信じられないほどホスピタリティにあふれるレストランだ。

（敬称略）

エピキュール
東京都港区元麻布2-1-17
03-5422-7454
11:30～15:00（13:30 L.O.）・18:00～23:00（20:30 L.O.）
不定休
ランチ 　ケアリングコース 3,500円　テイラードコース5,500円（ともに税別）
ディナー　originalコース 6,800円　 Special Customize 9,000円～（ともに税・サービス料別）

※記事中紹介しているのは、ランチ／テイラードコース、ディナー／Special Customize のこと。
ゲストの相談をもとに対応、カスタマイズする。
※冷麺はコースには含まれておらず、オプションメニュー。

http://epicure-low.com/