ダイナミックなデザインと技巧が特徴だと言われる、欧米のハイジュエリー。翻って、日本のジュエリーには、「繊細」な感性を宿すデザインと、磨き上げられた「緻密さ」という技がある。アートとも、工芸とも評される日本のハイジュエリーが生み出す、心が透過されていくようなジュエリーの輝き。Premium Japanが厳選したブランドを紹介していく。
「ウエダジュエラー」の創業は1884年、明治となってまだ17年のこと。国内では最古の宝石店と言われる。以前は数軒ほど創業年が「ウエダ」よりも古いところがあったが、今では閉店や廃業している。しかも「ウエダ」は創業家が４代にわたって継承している。ジュエリーの本場ヨーロッパでも創業家が代々引き継いでいるところは珍しい。近年名前は残すために経営権を他者に譲渡するケースがあとを絶たなく、４代も続いていることを植田家は誇りにしていい。
「ウエダジュエラー」は東京の中心、銀座で開業し、1923年フランク・ロイド・ライトの設計による帝国ホテル新館の落成時にアーケードに店舗を構えた。以来帝国ホテルの歴史と共に歩み、今年創業135年目を迎えた。帝国ホテルはこれまで世界中の著名人が利用し、「ウエダジュエラー」の店に訪れ買い物をしている。店の顧客名簿をめくると、MLBのベーブ・ルース、ジョー・ディ・マジオ、イタリアの女優ソフィア・ローレン、ジーナ・ロロブリジータ、ハリウッドからはカーク・ダグラス、フランク・シナトラ、政財界からはマッカーサー夫妻、キッシンジャー夫妻、ライシャワー夫妻など、各界の華麗な名前が連なっている。
羽を広げて優雅に飛ぶ鳥のブローチは、上質なジャケットの襟元にふさわしい。
Pt950・K18・ペリドット・ダイヤモンド・グリーンガーネット。1,270,000円 税別
色とりどりのカラーストーンを配したバタフライ・モチーフのブローチ。
写真左 Pt950・K18イエローゴールド・ダイヤモンド・アクアマリン・イエローサファイア・タンザナイト・グリーンガーネット。1,550,000円
写真右 Pt950・K18イエローゴールド・ダイヤモンド・ピンクトルマリン・アメシスト。1,400,000円 ともに税別
戦前から戦後は、シルバーカトラリーやシルバーウェア、真珠、オリジナルのデザインジュエリーを揃え、外国人旅行者からの人気を得たのは、先に紹介した通り。世界中のセレブリティを魅了した。1970年、帝国ホテルが新本館を開業するに伴い店舗を新装オープンし、ダイヤモンドジュエリー、イタリアンジュエリー、さらにお客様のオーダーに応えて製作するオートクチュールジュエリーのサービスを加えた。1980年代には、ロゴの変更、コーポレートカラーなどを決め、国内ではいち早くブランディングを進めている。そして一目で「ウエダ」とわかる商品を世に出してきた。
「ウエダジュエラー」のパールジュエリーは一言で言えば、エレガント。他にはない個性のあるデザインが特徴だ。真珠の形、色、大きさに応じて、様々なデザイン、価格帯のコレクションを製作しており、多数の中から見比べ、選ぶことができる。
ブローチ。Pt950・K18WG・南洋真珠・ダイヤモンド。2,300,000円 税別
「ウエダらしさ」とは何だろう。それは端正という言葉に尽きる。帝国ホテル店のディスプレイを見れば、気品のあるデザイン、最高品質の素材を裏切らない精巧な作りのジュエリーを目にすることができる。百聞は一見に如かず。「ウエダらしさ」をその目で確かめてほしい。
(敬称略）
ウエダジュエラー
https://www.uyedajeweller.com/
Photography by © Uyeda Jeweller
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アートか工芸か。日本のハイジュエ…
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